
この記事では、毎日お客様の頭皮を見ている美容師の私が
頭皮の健康状態について
初心者の人でも理解できるようにわかりやすく解説します!
健康で美しい髪を保つには、健康な頭皮環境が大事って知ってましたか?
髪の毛に気を使う人は多いですが、頭皮に気を使う人は実際のところ多くはありません。
でも、美しい健康な髪が生えてくるためにも頭皮の色はとっても大切なんです。
- 髪がパサついてまとまらない。
- 最近、髪が細くなってきた。
- フケやかゆみが多い。
このような悩みがある人は必見です!
そもそも頭皮ってなに?どんな役割があるの?
そもそも頭皮ってどんな役割があるのでしょうか?
頭皮も体の皮膚と同じく
- 表皮
- 真皮
- 皮下組織
の三層構造になっていて、表皮の厚さはわずか0.02mmしかありません。
そして頭皮は、頭蓋骨を守ったり髪の毛を育てる役割があります。
さらに、皮脂腺はテカリやすいTゾーンの約2倍の多さ。
この皮脂腺が多い理由は「頭皮を保湿するから」。
頭皮から皮脂を分泌することで、乾燥から守ってくれます。

頭皮が乾燥するとかゆみやフケの原因になります。
さらに皮脂には「脂肪酸」という成分が含まれているのですが、この脂肪酸と汗に含まれるアミノ酸が混ざり合い、頭皮を弱酸性に保ってくれるんです。
頭皮が弱酸性に保たれることにより、雑菌の侵入を阻止し感染を防いでくれます。
健康な頭皮の状態は?
このように、頭皮には大切な役割がありますが、顔のスキンケアに比べると手抜きになってしまいがちです。
で、健やかな髪の毛をつくるには、健康な頭皮であることが絶対条件。
では一体、健康な頭皮とはどのような状態なのでしょうか?
健康な頭皮は青白い色をしている
結論から言うと、健康な頭皮は「青白い色」をしています。
健康な頭皮は「よく耕された畑」に例えられます。
耕された土は柔らかく、水分や肥料を吸収しやすいので、元気な作物が育ちますよね。
しかしガチガチの土だと、どんなに水や肥料を与えても元気な野菜は育ちません。
つまり、元気な髪の毛を育てるにはその土台である頭皮が健康でなければなりません。
健康な頭皮とは、油分と水分のバランスが取れている状態で、尚且つ頭皮が青白い色をしています。
また、健康な頭皮は「弾力」があるのも特徴。
髪の毛をつくる毛母細胞は、血液から栄養分をもらい細胞分裂を繰り返し育ちます。
しかし、頭皮が硬い状態だと血行不良を起こしている可能性が高く、髪をつくる栄養分が届きにくく、元気な髪が育ちません。
※頭皮の柔らかさは、指の腹で頭皮を前後に動かしてみることで確認することができます。
不健康な頭皮になってしまう3つの原因とは?
では逆に、不健康な頭皮にしてしまう原因は何でしょう。
様々な要因が考えられますが、大きく分けると以下の3つです。
- 血行不良
- 頭皮環境が悪い
- 頭皮にダメージを与えている
この3つがどのように頭皮に悪影響を与えているのか?
一つずつ解説していきます!
血行不良
血行不良が起きると血液や栄養が十分に届かず、頭皮が硬くなってしまいます。
頭皮が血行不良を起こす原因としては「筋肉のコリ」「紫外線」「加齢」などがありますが、その中でもデスクワークなど同じ姿勢でいると筋肉が固まり、全身の血行が悪くなります。
そして頭皮の血管は細く、ただでさえ血液循環がよくないところに血行不良が加わると、あっという間に頭皮は栄養不足に。
髪を育てる頭皮に栄養が行き届かなければ当然、元気な髪は生えてきません。
また、頭皮は紫外線のダメージが顔の3倍ともいわれています。
これは頭皮が他の分部に比べて高い位置にあることと、紫外線ケアを怠りやすいことが原因です。
紫外線を浴び続けると、頭皮の細胞が破壊され健康な髪をつくれなくなってしまいます。

顔にシミやシワができる原因も細胞が破壊されるからです。
また、紫外線は肌を酸化させてしまう作用があり、酸化した肌は弾力が失われ硬くなってしまいます。
頭皮環境が悪い
頭皮環境が悪いというのは「頭皮が清潔に保たれていない」ことを指します。
たとえば整髪料が頭皮に付着したり、皮脂分泌が過剰で毛穴に詰まったりするとニオイやかゆみ、炎症を起こす原因に。
逆に頭皮環境をよくしようと、二度洗いや洗浄力が強いシャンプーを使うと頭皮に必要な皮脂まで落としてしまいます。
そうすると頭皮が乾燥して痒みが出たり、その乾燥をうるおそうと余計に皮脂を分泌してしまうので、かえって頭皮環境が悪くなってしまうんです。
また、シャンプー後のすすぎ時間が少ないとシャンプーの成分が頭皮に残ってしまい、頭皮トラブルにつながる恐れがあります。
頭皮にダメージを与えている
頭皮にダメージを与えている・・・これは、パーマやヘアカラーといった薬剤のことです。
たとえば、パーマ液は1剤と2剤を使います。
1剤は髪の内部のシスチンという結合をカットする役割があります。
次に2剤の役割は、このカットしたシスチンを再結合させるんです。

これがパーマがかかる仕組みです。
で、パーマのかかり具合は1剤の強さによって決まるのですが、とくにアンモニア系の成分はアルカリ性が強いので頭皮にダメージを与えてしまいます。
美容室なら可能な限り頭皮に付着しないようにパーマ液を付けますが、自宅でおこなう場合はどうしても頭皮に液が付着してしまい、それが頭皮ダメージにつながってしまいます。
色別で分かる!頭皮の健康状態
ここからは、頭皮の色別健康状態を解説していきます。
このように頭皮の色といっても色々あるので、自分で判断しづらい時は美容師さんに相談してみてくださいね。
青白いのは健康な証拠
健康な頭皮は青白い色をしています。
頭皮が青白いと不健康なイメージがありますが、正常な頭皮は青白~乳白色です。
では、健康な頭皮はどうして青白いのか?それは血行が良い証拠。
血液は赤い色をしていますが、皮膚と血管越しに血液を見ると青く見えます。

つまり、血流がよいので青く見えるんです。
また健康な頭皮は適度に水分が含まれているので、透明に近い乳白色にも見えるので、頭皮は青白~乳白色の状態が健康的といえます。
薄いピンクは乾燥気味
頭皮が薄いピンク色をしている場合は、水分や油分が不足して頭皮が乾燥している可能性があります。
頭皮には、皮脂と汗が混ざり合ってつくられる皮脂膜という保護機能があり、乾燥などからお肌を守ってくれるはたきがあります。

健康な頭皮は、水分と油分のバランスが取れています。
しかし
- 湿度の低い部屋に長時間居る。
- ドライヤーによる頭皮の乾燥。
- 洗浄成分の強いシャンプーを使っている。
- 過度なダイエット。
これらの要因で簡単に水分や油分のバランスが崩れ、頭皮は乾燥気味に。
頭皮の乾燥が続くと、フケやかゆみの原因にもなります。
黄色は皮脂詰まり
頭皮の色が黄色っぽい場合、頭皮に付着している皮脂が酸化している状態かもしれません。

24時間経過すると、皮脂は酸化するといわれています。
この黄色い頭皮は、皮脂分泌が過剰で髪や頭皮がべたつく方に多く見られる傾向にあります。
また、過剰な皮脂分泌だけでなく「内的要因」でも頭皮が黄色くなる場合も。
- 睡眠時間が短い。
- タバコやアルコールを毎日摂取する。
- アレルギーを持っている。
- 生活習慣の乱れ。
このような場合、常に体が緊張状態になりストレスを受けることで頭皮が黄色くなるといわれています。
茶色は血行不良
茶色の頭皮は、血行不良が原因。
血液の流れが悪くなると新陳代謝が低下し、毛穴に老廃物が溜まり茶色がかった頭皮の色に。
頭皮にはたくさんの毛細血管があり、血流が良ければ酸素や栄養がしっかりと行き届くので青白い頭皮になります。
その一方で、血行が悪くなると肌がうっ血し頭皮が茶色く見えてしまいます。

うっ血とは、血液が停滞している状態です。
頭皮が血行不良になる原因としては上記でもお伝えしましたが
- 筋肉のコリ
- 紫外線
- 加齢
などが大きく関わっています。
さらに血行不良が続くとフケや薄毛、白髪の原因にもなるといわれてるので、気を付けなければなりません。
赤色は危険!炎症で頭皮が悲鳴を上げている
頭皮はその症状によって様々な色をしていますが、頭皮が赤色になっていたら危険な状態です。
頭皮全体が赤くなる場合もあれば、部分的に赤みが出る場合もあります。
で、頭皮が赤くなっている状態は炎症を起こしている可能性がほとんどです。
頭皮が炎症を起こす原因としては
- 長時間紫外線を浴びる。
- カラーやパーマを繰り返す。
- 頭皮の乾燥。
- シャンプーの成分が残っている。
これらが原因として考えられますが、場合によっては皮膚疾患が原因で頭皮が赤くなることもあります。
頭皮が赤い状態は、「頭皮の赤信号」のサインです。
頭皮環境が悪化すると健康な髪が生えにくくなるだけでなく、ハリやコシもなくなり抜け毛の本数も必然的に増えてきます。
頭皮が赤くなっていたら放置せず、速やかな対策を取ることが大切です。
頭皮を健康な状態にする方法
このように、頭皮の色によってダメージの原因が違う事が分かって頂けたのではないでしょうか?
そこでここからは、青白い健康的な頭皮にする方法を紹介していきます。
基本的に頭皮のタイプは2つに分けられます。
- 乾燥肌
- オイリー肌
この2つです。
実際にはもっと細かく分けることができるのですが、8割の方はこのどちらかに当てはまります。
で、それぞれの頭皮タイプ別のケアとして一番簡単な改善方法が「シャンプー」です。
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乾燥肌の方はしっとり系シャンプー
頭皮が乾燥してフケやかゆみが気になる方は、しっとり系のシャンプーを使うことをおすすめします。
ポイントは、頭皮のうるおいを保ちながら汚れや余分な皮脂を落としてくれること。
そこでおすすめなのが「アミノ酸シャンプー」。
アミノ酸シャンプーは頭皮や髪にやさしく、必要な皮脂は残してくれるバランスの取れた洗浄成分を配合しています。
シャンプーボトルの成分表に
- ココイル○○
- ラウロイル○○
- グルタミン酸○○
と、記載されている成分がアミノ酸シャンプーなので探してみてください。
また、頭皮が乾燥気味の方は洗い過ぎには注意が必要です。
頭皮はシャンプー後3~4時間後に皮脂の状態が一定になるので、洗い過ぎると皮脂を取り過ぎるため皮脂が少ない時間が長くなってしまいます。

その分、頭皮が乾燥気味になってしまいます。
ただ、しっとり系のシャンプーは髪の毛が細い方が使うとボリューム感を失ってしまうので、気をつけてくださいね。
オイリー肌の方はさっぱり系のシャンプー
オイリー肌の方には、さっぱり感が引き立つシャンプーがおすすめです。
オイリー肌の方がシャンプーを選ぶときは
- アミノ酸系界洗浄成分が入っているか?
- 保湿がしっかりできるか?
- ノンシリコンシャンプーか?
これらを基準にシャンプーを選ぶようにしましょう。
オイリー肌の方は、皮脂分泌が多いので洗浄成分が強いシャンプーを使いがちですが、ここだけにポイントを絞ると確実に失敗します。
皮脂分泌が多いことが髪や頭皮のベタつきにつながるのですが、皮脂の取り過ぎは逆に皮脂を過剰分泌してしまう原因に。

頭皮が乾燥しないように、逆にたくさん皮脂を出してしまうんです。
で、ここでもおすすめなのがアミノ酸シャンプー。
アミノ酸シャンプーは、洗浄力が弱いのでオイリー肌の方は選ばない傾向にありますが、皮脂の過剰分泌を抑えるには、適度な皮脂を残すことが大切。
始めは物足りない感じがしますが、使い続けることで頭皮のベタつきがなくなり、健康な頭皮になります。
また、頭皮にうるおいを与えてあげることも過剰な皮脂分泌を抑えるためには大切なこと。
シャンプーの成分の中に「ヒアルロン酸・ホホバオイル・コラーゲン・セラミド・グリセリン・グルタミン酸・アルギニン」などの保湿成分が入っているシャンプーを使うこともおすすめです。
オイリー肌の方は、頭皮の皮脂が酸化してニオイが出やすくなるので、毎日ちゃんとシャンプーをするようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
頭皮は普段髪の毛に隠れているだけでなく、直接見ることが少ないので、つい見落としがちになりやすい部分。
健康な頭皮を取り戻すには、生活習慣の見直しや自分に合ったシャンプーを使うことが大切です。
髪を気にするのと同じくらい、頭皮も気にかけてあげるようにしてくださいね。